潅水頻度と寒蘭の売買

「寒蘭の栽培を始めて」 「チャボに魅せられて」 「色出し」 「東洋蘭のウイルス」

「スポヌケ」 「蘭舎の照度」 「私の栽培管理」


寒蘭の潅水頻度に注意

 無加温で育てた寒蘭にも新芽が見えてきて、蘭舎に入る回数も増えてきました。蘭も今が一番水を欲しがっている
 のではないかと思います。毎日潅水している人や控えめな潅水にしている人さまざまだと思います。
 参考にもならないですが私の潅水頻度を紹介してみます。

 新芽の出る今の時期・・・プラ鉢の 3.5 号で基本は 6日に一回・真夏で 4日に一回です。あとは鉢の大きさに
 合わせて少しずつ間隔をあけています。二年程前までは、もっと少ない潅水でした。
 先輩諸氏に「蘭舎が明るすぎる」「潅水が少ない」「施肥が少ない」等指導はしていただきますがなかなか
 実行しないので最近は無視されている状態です。私としては指導していただいた結果やっと上記の頻度になった
 ものと喜んでいるのですが。

    寒蘭の根の特徴を知ろう   

     根は一見してわかるように、ウドン状をしていて根毛がない。ウドン状はその真中に針金状の真根があって、
     その周りを多肉質の細胞がとりまいている。水や養分はこの根の表皮の部分から吸収されていったん
     多肉質の細胞に入ってから針金状の真根によって葉へ送られる。
     ウドン状のもとになっている多肉質細胞の中には普通は蘭菌といわれる内生菌の根菌が共生していて、
     これが根の働きを助けている。この蘭菌が生存し、活動していくには空気中の酸素が不可欠である。
     寒蘭の生育には水が必要であるが、それと同時に蘭菌の生存のために酸素が必要なのである。
     この点が根毛のある他の草花類とその特徴を著しく異にしている点である。
     寒蘭が植えられた鉢内の用土に水分が十分ある時は空気の量が少なく、当然酸素が少ない。
     この反対に用土が乾いているときは空気すなわち酸素の量は十分である。
     蘭の生育の根本をつかさどる根は、水と空気を共に必要とするわけであるが、この両者の間には
     相反する関係があり、これをうまく調和させることが技術であってこの特性を承知して水を与える
     タイミングの取り方が大切なポイントとなる。

 私は以上の考察が正しいと判断し潅水頻度を少なくしています。結果生育にも問題はなさそうです。
 これを読んでいただいた方は多分この考え方の間違いを指摘してくれるでしょう。お待ちしています。 
                                                         


最近ランの売買についてのトラブルを耳にする事が多くなりました。
 古い会誌 ( 昭和 59 年 ) を見ていると「ランの買い方」という記事がありましたので少し長いですが初心者の
 方の ( 私も初心者 ) 参考になればと思い要点を抜粋して書いてみます。

 「ランの買い方集め方」

  どこで買うか

  専門の業者
     専門の業者というもののピンからキリまであります。キャリアが長く自ら大規模の栽培場を持ち悪い評判が
     無い業者を選ぶ事が大切です。品違いがあったり、病気の品を購入してしまった時も快くクレームを
     受けてくれる業者であるかどうかも大切な事です。

  通信販売
     これもピンからキリまであり、大手専門業者からアマチュアまで無数の通販が行われています。
     これの特徴は自分の目で確かめる事ができないため売り手に対する無条件の信用を基礎にした取引に
     なるという点です。手許に届いたがあまり感心しない。どうも病気の心配があるといっても顔も見た事の
     無い相手へのクレームは難しいものです。
     すでに送金済みであればトラブルが面倒で泣き寝入りにもなりかねません。
     実績のある業者意外とは取引を避けるべきです。

   交換会
     交換会とはプロとアマが入り混じってランのセリ市をする会です。アマの余剰品の処分の機会として、
     または掘り出し物の入手のチャンスとして興味深く見えるものですが、やはりいろいろと問題があります。
     初心者が交換会で 掘り出し物を手に入れる事は ほとんど不可能に近い。これはという品があれば、
     まずは最前列に陣取っているプロが見逃すはずが無く確実に競り落としてしまうのが普通です。
     アマにとられてはプロの名が泣くというものです。
     もう一つの問題点は、なかなか良品が少なくてともすればクズの整理や病気やまやかしものを初心者に
     つかませる機会として利用される事があります。
     売買価格は驚くほど安価にみえるものですが安いものにはそれなりの理由があるものです。

   趣味者間の交換・売買
     ランを栽培することの一つの楽しみは、ランを通じての友達つき合いの輪が広がっていく事です。
     最近入手した品種を自慢したり自分の栽培上の工夫を披露して意見を求めたり夜を徹してしまう事も
     まれではありません。そのようなラン友つき合いの中でお互いに望まれた品種の交換が行われるように
     なり、ラン作りの楽しみも一層ましていくことでしょう。
     しかし、ここでも 1 〜2 注意していただきたい事があります。それは友人同志のランの交換がしばしば
     両者を不仲にしてしまう事がある。もともと東洋ランは他の園芸植物に比べ高価な上に誰しも自分の育
     ててきたランには他人の思う以上の愛着があるはずです。
     そこから往々にして気持ちの行き違いが生じ不満をつのらせ、ついには不仲になってしまうのです。
     友人からランをいただく以上は必ず相応のお礼または交換の品を考えねばなりません。
     特に高価な品種の交換にあたっては双方が信頼する友人やラン商に仲介を頼み客観的に評価を
     してもらうことも一方法です。貸し借りを後に残す交換も やはり不仲の原因になりがちのようです。

     長くなりましたが私も栽培を始めた時は何回も読み返したものです。趣味者間やプロとアマのトラブルを
     防ぐためにお互い守備範囲をわきまえ協力しあってラン界の発展に努めていきたいものですね。    

     この会誌にあるカタログでは
       豊雪 小木 1 本・・・230,000円・  中木 1 本・・・350,000円となっていました。懐かしい・・・
                                                          ( H 15.05 ) 

「寒蘭の栽培を始めて」 「チャボに魅せられて」 「色出し」 「東洋蘭のウイルス」

「スポヌケ」 「蘭舎の照度」 「私の栽培管理」