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●チャボ寒蘭に魅せられて
大きな展示会で雛壇に上がる花は、寒蘭本来の持つ優雅さや上品さにすぐれ、抜けがよく、花間のあるもの
が主流のようです。
チャボ系の花は、このような優雅さ等の良さとは、かけ離れてはいます が寒蘭の栽培を始めた頃から何故か
チャボ独特の厚肉広葉の力強さと、短弁広舌の可憐さに魅力を感じています。
ここでは、私の好みの紀州寒蘭のチャボ系を少し紹介してみたいと思います。
★ 南山の月
新宮市高田の菅原谷産。葉丈
27cm 巾 1.1cm 位の厚肉質の中垂れで、新芽の袴は淡緑地に紅褐の
條をかけ、葉は紺覆輪の中チャボ系ですが覆輪は後に消えます。
花は紅サラサの短広弁に青フクリンがあり、巾
1.7cmという大円舌は淡黄地で大きな淡い桃点がある。
中世、熊野は京都から見て南方の山々の重なったところから南山と言わた。
「南山の月」とは、つまり熊野の月の意味である。
左は普通の採光で自宅で咲かせたもので、右は登録した株ではなく別に採取されたものだそうですが、
上二輪が先に咲いたので、その老花を切って日陰で咲かせたと言う。
上二輪は命名した紅サラサと全く同じ花であったが、これは青サラサ無点系で、まさに南山(熊野)
に
輝りかがやく高尚無比の大円舌になったようです。
人気のある花には偽りものがあるものですが、「南山の月」にも坪採りが多く出回っている
ようで、入手する時は要注意です。私の持株も花は全く同じですが、命名株の分株では
ないので正確に言えば「菅原谷産」です。
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★ 天龍
三重県熊野市五郷の産。
弁先を絞り、内弁の抱えの良い三角咲き小花。舌は巾広く淡白黄地に紅点がある。
子房は紅紫色で花茎は紅褐色。超厚肉の中チャボで、後ハセ゜の薄白黄覆輪をかける。
花・葉は紅玉龍に似るが、これを少し大きくした感じの力強く味わいのある葉姿で、五郷紅玉龍とも
言われている。
この花も我
が家で咲いたもので天龍
と全く同じですが、命名株の分株した
ものではないので五郷産としています。
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★ 玉金剛
那智勝浦町花折の産。五弁が厚く広弁のまるみを帯びた三角咲きの青小花。
内弁の抱えがよく、厚い大舌は完全な舟底で淡白黄地に紅点を散らす。
葉は濃緑色光沢のとぼしい超厚肉質の羅紗葉で、全国的にも人気の高い名花です。
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★ 紅玉龍
三重県紀和町、明神山の産。
濃紅で弁先を絞った平肩咲きに近い燕尾咲きの小花。舌は舟底で淡黄地に紅点を散らし、時に無点に咲く
こともある。葉上に高く抜け、整然とした可憐な花です。
葉は超厚肉で巾が広く、後ハゼの白黄覆輪の
見事な芸を表す。
紅花チャボの柄物として、全国的にも人気があります。
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